修行の方法にも大きく隔たりがあると指摘されている。以下に相違点
を簡単にまとめる。
大日経(胎蔵) 金剛頂経(金剛界)
区分(チベット) 行タントラ 瑜伽タントラ
発達段階 大乗⇔密教 完全に密教化
過渡的
修行の特徴 段階的(漸悟) 頓悟
時間重視 無時間的
更に、津田真一氏はこの両経の特徴を著書「反密教学」で、
大日経(胎蔵) 金剛頂経(金剛界)
利他行の宗教 瑜伽の宗教
慈悲の宗教 即身成仏
とし、この両経を
『・・・「両立不可能にして、且つ、二者択一不可避」な関係にある
ことです。第三の選択肢は無いし、両項をジンテーティッシュに総合
する第三項もない。・・・』(「反密教学・密教理解の原位置」より)
事から、これを<Criticality>と表現、両部不二密教は成立しえ
ないとしている。
![]() |
反密教学 |
果たして、両部不二密教は本当に成立しえないのだろうか…
続く