2017年9月12日火曜日

慧燈応現法要③ ー制定の背景②ー

 こうした歩みを辿った教団の現在はどうか。

「…摂受心院死後において苑は栄えてきたが、教化の浸透においては、
 摂受心院の存命中のようにはいかなかった。…」定記より

 事態は在世の開祖が憂慮した状況より更に進んでいると言わ
を得ないのではないか。

 讃題が制定されて半世紀、霊祖遷化後初の月命日より本年
で五十年を迎える九月六日。仏法僧三宝一体の理を基として
二つを一つにし、開祖が日本三大称名の一つと絶対の確信を
のぞかせる讃題。それに新たな根本を定め加え一つが二つ
になる選択を苑主代がなすのは、国際的な活動領域を持つ
に至り、上下に重層化した、百万人に届こうとする巨大な、
コミュニティと化した教苑が、「内」と「外」に大きく別れ
つつある事の証左であるように思える。

 大規模かつ高度に発達した現代社会において、それを支える
様々な諸機関・諸法人が、ヒューマンエラーや不祥事等、人為
的要因によるトラブルが日々大きく取り上げられ、信頼を失い
権威を失う事が日常茶飯となっているが、宗教法人も例外とは
言い難い。 しかしながら、真如苑(僧伽)は宇宙で唯一、
真如三昧耶流を現世に現す機関であり、どれ程の問題を抱え
ようとも他に代替は存在しない。ここに我々の苦悩がある。

 この様な状況の中、教団内外を問わず「仏」への信を繋ぎ
続ける為の、苑主代表の答えが常住讃であり、更には讃題との
称名の並立だったのではないか。

                      続く

0 件のコメント:

コメントを投稿