2021年1月7日木曜日

これからの「在り方」ー 間章

 こんなに、次を書く事を躊躇った事は今までなかった。今までは、着想が浮かべば、どこか熱に浮かされたように、一気呵成に書き上げるのが常だったのだが…

挙げられる理由は多々ある。実は、前回の投稿直後、体調を崩し発熱、一週間寝込んだ事。昨年の二月、現在ほどPCR検査を自由に受けられなかった事を思い起こして頂きたい。報道されたような後遺症もなく、身近な人々にも感染者が出なかった所を見ると、さいわいコロナではなかったようだ。万が一炎上でもすればタダでは済まないテーマの重さと大きさに、委縮もしたし、法要のウェブ配信拝聴で、教団施設の閉鎖の決断を「…と頂きました」と述べた時の苑主代表の表情が、一瞬だが、しかしはっきりと苦渋に曇っていたのを見た事。何故に、新シリーズを『これからの「在り方」』などという、大上段で器に余るタイトルにしてしまったのか…。

だが、やはり一番大きかったのは、世界中の宗教施設での集団感染の報道、政府経済対策による感染拡大や、第3波における家庭内感染の増加など、そして、パンデミック以前の世界には、もう戻れないかもしれない可能性について、感染症について素人に毛が生えた程度の浅学非才の自分が、時が経つに連れ、投稿を読み返す度、むしろ正確に事の推移を予測していた事が明らかになって来た事にある。まるで自慢の様に聞こえるが、そんな心算は毛頭ない。


『…「我、汝の飲食供養は受けない。しかし一切衆生を安穏にせんとするために、汝が説くその神咒だけを受けよう」…』(大般涅槃経序品より)

 昨年の寒修行の期間中、中国発新型肺炎上陸の報道を横目に、拙い祈りの中に危機の予感を感じつつ、相変わらず動きの見えない教団の動向を注視、無い知恵を振り絞って、教団の社会的信頼の失墜を防がんと、おそらくは初めて純粋な護持の信にたっての投稿だったが故に、み力を頂き、この様な結果になったのだと思う。昨秋発刊の教団の機関誌である歓喜世界262号には真如立教祭前日に初の対策会合をもったとあり、その後の参集活動自粛、第一波の教団施設閉鎖といった経緯は衆目の知る所だが、しかし重大な意思決定プロセスの最中であろう2/14に、ウェブログという、外部にも容易に目の触れる形での提言がなかったら、教団の中枢ではどの様な選択がなされていただろうか?。

『…私たちは、この婦人教徒の言葉には半信半疑だったのである。だから全面的に肯定できず、お宮詣りのことにも、真導院に対する扱い方にも、婦人の言葉をそのまま行っていなかった。ところが、お宮詣りが済むと間もなく、摂受心院は床についたきりで容易に起き上がれないばかりか、生まれて間もない真導院も、消化不良に陥ってやせ細るという事象が起こった…』(「一如の道・究道篇・第三章・二、真導院の誕生」より)

 第一波終息の兆しが見えるやいなや、緊急事態宣言は解除、これに合わせて教団も依処における感染症対策を施しつつ徐々に参集活動を再開した。また、国内においては衰退した経済を復旧させんと、早々に様々な経済対策や規制緩和が行われた結果、首都圏を中心に再々度の感染拡大を招き、医療体制は危機に瀕し、三が日明けより一都三県の知事が連名で緊急事態宣言発出の検討を国に要請、本日発出となった。昨年後半より、感染者数が日々増加する中、世論には緊急事態宣言を待望する声が高まっており、専門家が「都圏は感染爆発相当」と評するほどの事態に至っての発出は、感染症対策の点では最早遅きに失したと言わざるを得ず、明日より一か月での期間で収束させる事も至難の業と言われているが、



発出への動きから予定の緊急事態宣言の期間(1/8~2/7)が、またもや、真如苑の寒修行の期間をすっぽりと収める奇瑞が起こっている。予定通りなら2/8の真如立教祭には、一定の結果が出る運びである。信徒サイトには1/4付けで、緊急事態宣言中も感染症対策を行いつつ活動を継続する旨広報されているが、日々感染者数や重症者数が過去最多を更新し続ける上、変異して感染力を増したウイルスの上陸まで確認されている中、これはハイリスクな選択であり、万が一依処で集団感染でも発生しようものなら、教団の社会的信頼の甚大な失墜は免れないだろう。職員や帰苑信徒を問わず、最近、依処の人々の様子を見るに、み力を信じるが故の緩み切った姿には不安を禁じ得ない。はっきり言えば個人レベルでの感染症予防は、真如マナーである。だがしかし、政府分科会尾身会長が言う所の「行動変容」個人レベルの行動の変化を促すにあたって、教団職員各位は適切にリーダーシップを発揮しているだろうか?。この国では、相手の言わんとする所を真正面から受け止め、誠実に返答するコミュニケーションと、言行一致が無かった事が、現在の感染爆発を招いているのではないだろうか?。教団一丸となって護法の祈り持ち、この真剣白刃の取組みの先を明るく見て、今年の寒修行に臨みたい。


南無真如

 

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