話は、昨年の緊急事態宣言下、4月24日廻向法要にさかのぼる。この日は明日4/25の苑主代表の誕生を祝う式典(当然帰苑教徒などなくウエブ配信オンリーだが)を控えてか、特に苑主の導師にて法要が営まれた。
この日の法幢が、眼を瞠るものだった。
まず、尺が長い。大抵の法幢は、法要の時間全体のバランスを考慮してか15分程度でまとめられる事が多く(おそらく一定のルールがあると思われる)、この日に限っては何故か25分。重要な伝達事項でなければ、こういった時間延長は最近はあまりない。
にもかかわらず、飽きずに聴いていられたのは、教団の企画・広報部門に所属する、この法幢の担当職員の、内容の詰めと、語り口の巧みさ、そしてその意味する所に思う所があったからだ。
とある週刊誌のコラム(都下の小売店舗のベテラン販売員の、客を和ませる声かけ)を題に取り、一般教徒では日頃接する事のない、苑主代表の人となりを紹介する内容だったのだが、自分には聞き捨てならないセリフがあった。
「このお兄さん、真如教徒だったんです」
「真如苑すごいでしょ」
他にも、話の導入で、最近の自分の仕事を
「朝から晩までインターネットでコロナ漬け」
などと評していたのだが…
気になったので、件のコラムの掲載された号を入手したのだが、更に首をかしげる点があった。件の記事にはこの店が「何を」扱っているかは記されていたが「何処の」店かは記載されていない。にもかかわらず、法幢ではこの店が「何処の」店かがはっきりと述べられていた。これはどういう事か?。いわば、一片の週刊誌記事から、一般教徒を特定する事も、現在の真如苑には可能という事実を示す事に如何なるメッセージがあったのか?
教団事務局の企画・広報といえば、クリスティーズで大日如来像落札の際、現・西川勢二教務長が、総合企画部長として在籍していた事が思い出されるが、「表」の法要や式典、参拝行事の企画の他に、教団の調査・インテリジェンスを担う「裏」の姿が、この法幢から伺う事ができるように思う。
さて、この三月、東日本大震災から10年という事で、教団の災害支援活動が文芸春秋で取り上げられたのは前の投稿で紹介したとおりだが、たとえ取材対象の法人がある程度特定の人々にだけといえど、自社の出版物の抜き刷りの無料配布を許可するというのは、やはり破格と見るべきと思える。文春オンラインなどの代替手段もあるというのに…。
上述した様な法幢を見るに、株式会社文芸春秋と真如苑の良好な関係が単なる
「ジャーナリストと取材対象者」
の域にとどまらず、調査・インテリジェンスといった上での協力関係に及んでいると見るのが正しい様に思う。
南無真如
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