2015年3月10日火曜日

真如-その視覚的表現(その1)

密蔵は深玄にして翰墨に載せがたし
 更に図画を仮りて悟らざるに 開示す
                     (『御請来目録』より)




 さる3月5日に発祥第一精舎にて開眼された真如苑大日如来
X線透視図には、この金剛界様式(智拳印を結ぶ)で刻まれた像
の内部に、底部から頭部まで胎蔵の象徴である木製の五輪塔が
立てられている事から、これを苑主代表は

「・・・金剛界・胎蔵界 不二(ふに)
として刻まれた尊像なのでしょう・・・」
(親苑時報2015年3月号『今月のご瑞教』より)

としている。真に大きな宇宙が表現されているのだそうだ。


 真言宗各派の伝統寺院は言うに及ばず、真如苑でも総本部
真澄寺宝前や応現院の明王の間や曼荼羅の間に金胎両部の
曼荼羅が一対祀られている。また教苑の重要な法要の願文や
表白にも

「・・・真如曼荼羅界会一切の聖衆…」

といった文言が見られる。金胎両部不二の世界とは、そして
真如曼荼羅界会とはどの様な世界なのか?。真如三昧耶流の
修法の導師にはどの様に映っているのか?。未だ悟らざる凡夫
の自分には知る由もないと言ってしまえばそれまでなのでこの
問いをこんな形に集約してみる。

真如の仏の世界は視覚的にどう表現される?

 両部不二を一幅に表現した曼荼羅は存在する。真如苑開祖
伊藤真乗が醍醐寺にて修めた二つの法流のうち、当山派には
その独自の世界を象徴した「修験恵印総漫拏攞」が存在する。
 修験道修行大系に、仲田順和真言宗醍醐派宗務総長(
現醍醐寺103世座主倪下)によって、この梵字で構成された
曼荼羅を、伝書によって解読した構成図が掲載されているが、
これを倪下は本書の中で

 この構成を見ると、密教でいうところ
の金胎不二と、修験道の特色、あるいは
修験道の思い、願いとで描き出された大
きな世界であると思う。

と、述べておられる。仮に真如三昧耶流の曼荼羅が描かれる
なら、この総曼荼羅の延長線上にその相がある様に思う。




「・・・・・
 恵印とは何かーを密教的にいえば、智慧の金剛界と慈悲
 の胎蔵界が融合した「金胎不二」の真理に到達する義です。
 開祖はこの不二を一なる「真如」と昂め、真如三昧耶の
 教相事相を確立・・・・・」
(親苑時報2014年10月号『今月のご瑞教』より

と、あるので上記緑色の憶測は全く的外れとも思えない。

                              南無真如


                    

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